最後の収録。

2002年9月22日
10時の局集合に5分程遅刻して到着。早速ADさんから
「司会さんがマニュアル車は自信がないと言って
いる」との報告を受け、急いでいつも借りている
レンタカー屋さんにワゴンタイプの車の空車状況を
聞くと「他の営業所にあるので1時間後にご用意出来
ます」との事でお願いした。

本来なら10時の時点で車があって、カメラなどを
セッティングしてから局を出発するというスケジュ
ールだったんだけど、とりあえず予定時間に出発し
現地でセッティングをする事にしようなどという
細かな打合せをADさんとしていると、後任のDの方に
挨拶をされた。今日のロケに立ち会う事になってる
のは知ってたけど、P陣の紹介を前に直接挨拶された
ので、いちおうお愛想しておいた。東京でDの経験の
ある41歳のおっさんとしか聞いてなかったけど
さすが年の功って感じだったね。

で、それから再びADさんと打合せの続きをしている
と、局Pが丁寧に後任のDに段取りを説明していた。
よほど自分の思い通りになりそうなDが嬉しいのか
司会さんとの打合せの開始時間をADさんがわざわざ
伝えたのに、その前に控え室に連れていっていた。
ADさんが慌てて「打合せをお願いします」と私に
言いに来て「まだ時間前だけど」と言うと「なんか
知らないですけど勝手に集まってきちゃって…」と
困惑してるので「勝手な事すんじゃねぇよ!」と
局Pに更なる殺意を抱いた。

打合せは普段通り淡々と済ませ、出発。最初のロケ
場所に着き、セッティングをし、ロケがスタート。
最近は段取り意外は無駄口を利く気もおきなかった
けど、今日は穏やかにいこうと思ったので、世間話
をしたりして司会さんのテンションを上げる努力も
してみた。

問題の車のシーンも若干危ないところもあったけど
なんとか撮り終え、ヨットでクルージングするシー
ンでは、ほとんどのスタッフが軽く船酔いする中
ぬけがけして乗船前に酔い止め薬を飲んだお陰で
乗り切り、順調に撮影は進みました。
合間に技術さんにスタッフが代わる旨を話すと驚い
ていた。技術さんは人はいいんだけど、腕がイマ
イチで収録の度にイライラしたこともあったけど
もうそんなストレスを感じなくても済むのね。

後任のDのおっさんは引き継ぎを目的に来てるわけ
だけど、私は人見知りの上に収録中は段取りで一杯
一杯なので無視してたけど、さすがベテランは少し
の間を探して色々質問してきて、いちおう答えては
おいたけど、どういう説明をされてるのか「結構
この番組楽勝でしょ?」って感じの質問が多くて
「アンタも騙されてる?」と思ってニヤっとした。

ADさんはウィークリーマンションに1ヶ月間住んで
後任のADさんに仕事を引き継ぐんだけど、その後任
は今まで収録だけに来てもらってたバイトくんなの
で、ほぼドシロウト。私も福岡に来る時に今のAD
さんを紹介されて、経験者ではあってもすごく不安
だったから、ドシロウトが就くのは大変だと思う。
どこまで説明がなされてるかしら…

今後についての心配もありつつも、まずは目の前の
収録をこなそうと集中し、なんとかスケジュール
通りに終える事が出来ました。今日は司会さんが
日帰りなので福岡空港へロケバスを着け、帰り際に
下請け会社のPが司会さんに私が今日の収録が最後
だということを告げて「東京に戻ってきたら、会を
開きましょう!」と言ってくれて、お二人からも
労いの言葉を掛けてもらって、素になって押し黙っ
てしまいました。

局に戻り、解散する時に技術さんに挨拶すると「○
○さん(わたしのこと)も頑張って下さいね!」と
叫ばれて、愛想したけど言葉は出なかった。担当
している番組を離れるのは慣れてるはずなのに環境
が強烈過ぎたから、簡単にはリセット出来ないな。
なるべく情を残したくないから、必要最低限の人と
しか交わらないようにしてきたのに、職場系の人で
こんなにせつない気持ちになるとは思わなかった。

明日から最後の作業だから精一杯頑張りたいけど
どんな心情になるのか想像もつかない。少なくとも
現場で涙はみせたくないな…

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