今日はコクーン歌舞伎『夏祭浪花鏡』の楽日を
観る為にBunkamuraの入口で直江嬢と落ち合う事
になっていた。駐車場に愛車を停め、てくてく
歩いているとコクーンの前にいる勘太郎くんに
遭遇。なかなかの男前。更にてくてく歩いて
いるとマギー司郎さんに遭遇。なかなかのマジ
シャン顔。(どんな感想!?)

直江嬢と落ち合い、早メシ。最近引きこもり
気味という彼女の近況を聞く。基本的に極度の
人見知りの私達は自虐的な職業に就いている。
彼女は販売業。他人に愛想が出来ないのに日々
大勢の客と対している。「店に客が多いのが鬱
の原因なんだよね…」と言う彼女。素晴らしき
自虐体質。自虐癖のある人間は他人がどうアド
バイスしても改善しないものだ。自分がそう
だからよくわかる。他人との交わりから離れた
ら加速度的に引きこもれる自信があるからこそ
敢えて多くの他人と交わる場所に身を置く。
でも所詮自虐に過ぎないから時々心のバランス
を崩すわけです。

たぶん知恵がない人間なら楽な方向に身を委ね
て立派なダメ人間になれるんだろうけど、僅か
な知恵がそれを阻止して社会の一員でいようと
させる、それがどんなに自虐的な行為になると
しても…その知恵は身内が教えてくれたのか、
学校の先生が教えてくれたのか、友達が教えて
くれたのか、好きになった人が教えてくれた
のかはわかんないけど感謝すべき事だと最近
思う。知恵のないヤツが多過ぎる。短絡的な
事柄が溢れてる昨今、ホントに知恵は大事よ。
直江嬢は知恵のある人だから、今は病んでる心
も自分で復元出来るはずだから、とにかく話を
聞かせてもらうだけにした。

で、コクーン入り。今日は平場席の最後列の1列
前の花道側ではあったけど、前回が舞台から2列
目だった事を考えると舞台が遠いなぁ。段差が
そんなにないから視界に余計なモノも入るわ。
軽く落胆しつつ、ふと客席に目をやると数列前
にダチョウ倶楽部のリーダーと竜ちゃん発見。
花道を挟んだ隣りには山崎銀之丞氏。椅子席
にはV6の三宅くん、神田うのの元カレ・山野
さん等、ミーハー魂がテンションを上げてくれ
ましたね。そして開演。

獅童くんのお役であるボンボンの磯之丞様が
何度観ても可愛くて即行メロっちゃいました。
七之助くん演ずる恋仲の琴浦にマジでなりたい
って思いました。冷静に考えると男同士なん
だけど、ちょっと七之助くんにジェラったわ。
(↑完全なるバカ)

楽日という事もあり、台詞まわしに「今日で
終まいやけどな…」みたいなアドリブもあって
役者さん達の余裕を感じつつも、瞬間を精一杯
演じようっていうせつなさも感じた。やっぱり
普段演じてる伝統芸能の歌舞伎とは違う新鮮さ
があるのがコクーン歌舞伎なんだろうなって
初めて観た私が思ったわけです。演出もさる事
ながら客層だったり、会場の立地条件だったり
普段歌舞伎を嗜む人じゃない人が観に来てる
わけだから反応も違うと思うんだ。役者さんと
しても勉強になる試みだと思う。だからこそ
今日で終わる刺激をいとおしいって思って演じ
ているように思えたんだよね。完全に演出家の
思惑にハマっております。

休憩時間になり、売店で歌舞伎グッズを物色。
獅童くんの顔写真をプリントしたハンドタオル
があってビックリ。ファンだったら手を拭け
ないと思うんだけど…。更に縦書きの漢字で
‘中村獅童’って書かれてるサインがプリント
された普通の白Tシャツとかもあってビックリ。
普段着れないと思うんだけど…。聖飢魔?グッ
ズと同じ位にセンスなくない!?呆れ顔の私でし
たが勢いには勝てず、獅童くんの千社札をGET!
所詮バカはバカです。あと橋之助夫人の三田
寛子も見た。(ダジャレではないっす)甲斐
甲斐しく御贔屓さんらしき人達に挨拶をされて
いて感心した。あんなに顔のデカイ夫の為に
よくやっていらっしゃるわね。

後半は獅童くんの出番はないので、あまりドキ
ドキ気分もなく冷静に芝居を観てました。でも
自然と話に引き込まれちゃうのは実力だね〜。
既に1回観てるのに気付けば結末にドキドキして
る私がいたもの。舞台はホントに深いわぁ。

そして無事に終演。で、カーテンコール。最初
はステージ上での展開で地味に終わった。で、
またカーテンコールが起こり、次は花道を闊歩
し始めた演者さん達。思わず近くに来た獅童
くんの手首をしっかりと握り締めた私でござい
ました。「細っ!」一瞬だったけど温もりを
感じ取れて内心テンションMAX!

さすがに楽日。カーテンコールは止みません。
次に幕が開いたら演者さん達が客を煽り、ドン
ドン舞台に上げちゃうのです。なんか凄い光景
でしたよ。2階席に居た人たちまでもが大挙舞台
に降りてくるんですから、もうメチャクチャ。
そんな無法状態にいるわけだから意のままに
振舞えば獅童くんに接近出来たんだけど、今日
の日記のテーマである知恵が邪魔しました。
「舞台に上がって近付いたら、この空間を楽し
んでる獅童くんを観れないじゃん!」

実に獅童くんがはしゃいでて、ジャンプはする
わ、投げKissはするわ、腕を振り上げるわで
ホントに楽しそうだった。獅童くん以外にも
勘九郎さんも橋之助さんも笹野さんも七之助
くんも他の役者さんもそれぞれが思い思いに
はしゃいでて、ガランとした客席から観る舞台
の狂喜乱舞ぶりが壮観でした。舞台に上がって
しまったら、あの光景は観れないわけで、空間
を楽しもうという知恵が働いちゃったんだな。
やっぱり獅童くんだけを観に来たというより
『夏祭浪花鑑』の楽日を観に来たっていう気持
ちの方が強かったのかも。ホントにいい舞台
だったからな…DVDにして欲しい位だわよ。

で、更に凄かったのは舞台裏の搬入口を開けて
会場に入れなかった客まで舞台に上げちゃった
事。当日券に100人以上並んでて、入れなかった
客が雨の中を待ってたらしい。演出の中で搬入
口の扉を開けて舞台に奥行きを持たせるという
趣向があって、その扉の開く一瞬だけでも舞台
を観たいという熱心なお客さん達に粋な計らい
でごさいます。気付けば、その中に八嶋智人氏
を発見。獅童くんに近付き、普通に挨拶する姿
に獅童くんもド肝を抜かれたようで、後でHPの
書き込みで知ったんだけど、八嶋さんは普通の
客と一緒に長時間、搬入口の前で待ってたそう
です。友達を驚かす為なら手段を選ばない八嶋
氏に脱帽…いい人だわぁ。

扇雀さんが子役を連れて花道を非難なさる時に
何気に目が合ったので「お疲れ様でした!」と
咄嗟に声を掛けてしまいましたが「ヤバイ…
ホテルでビデオ見せられちゃう!」とわかる人
にだけわかるワイドショーネタで心の中でほく
そ笑んだ。芸妓じゃないから誘われないって!?

どう収拾つけるのか?って思う程に会場内は
グチャグチャな感じになり、そうなると‘撮影
禁止’の張り紙があったにも関わらず、携帯や
デジカメで写真を撮り始める客達。マナーが
なってない客が多いよな…なんかそういう客が
全て獅童くんファンのような気がしてきて実に
嫌な気分になった。で、適当な感じで会場を
出てしまいました。イイ気分で帰りたかった
からね。

なんとかイイ気分のままで会場を後にし、直江
嬢の家まで愛車で送り届けた。車内でもいろ
いろなくだらないバカ話をしつつ、別れる時に
「またエンターテイメントに触れて気分転換
しましょう」と再会の約束をした。落ち合った
時より顔に表情があったのが良かった。また
ニヤニヤする話をしようね。エンターテイメン
トはやっぱりイイわっ!

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