最近の年明け芸事初めは、ここのところ『新春浅草歌舞伎』に
なっております。今年もそうなりまして1部を観に浅草公会堂に
タクシーで向かいました。

1部は11時開演なんだけど毎年ギリギリになっちゃうんだよね〜。
でも今年は割と私的には余裕で向かってたはずなんだけど、乗っ
たタクシーの運ちゃんが実にセーフティードライバーで飛ばさな
いし、信号も黄色で停まる人だったので状況が段々とおかしく
なっていった。開演15分前の待合せの時間にはたぶん間に合わな
さそうだったので、本来は雷門前で降りて、歩いて公会堂に向か
うつもりだったけど「行き先を雷門の先の浅草公会堂に変更して
もらえますぅ?」軽く焦り気味に運ちゃんに告げるとちょっと
だけ飛ばすようになった。やれば出来るんじゃ〜ん。

というわけで10時50分過ぎに公会堂に到着。直江嬢の元・同僚の
お姉さんと合流したけど直江嬢はまだ到着してなかった。ギリ
ギリまで待ってみたものの、今日のお年玉のご挨拶は獅童くん
なのでチケット預り所に直江嬢の分のチケットを託し、会場入り
した。座席に着いた途端に紋付姿の獅童くん登場!間に合った…
髪が伸びてて好みの感じだった。やっぱりカッコいいな〜。品の
ある感じもソソりますな。

いきなり獅童くんを堪能したところで直江嬢が席に到着。とりあ
えず獅童くんのご挨拶は客席の後方で観れたらしい。よかった、
よかった。で、一幕の『御所五郎蔵〜仲之町出逢いの場』が始ま
った。御所五郎蔵役が七之助くんで星影土右衛門役が男女蔵さん
、甲屋女房お芳役が亀鶴さんという配役。パンフを買う時間が
なかったので全くストーリーの予備知識がないのでチンプンカン
プンだった。台詞回しで進んでいく話なので動きが少ないから
余計に退屈してしまいました。全く舞台に集中出来ないまま一幕
が終了。

休憩時間に早速パンフを購入し、筋書きを事前勉強しながら「歌
舞伎仲間の横山さんが浅草歌舞伎を観に来る日のご挨拶が亀鶴
(かめつる)さんらしくて‘誰やねん!’てガッカリしたらしい
んですよ!」という話をすると、直江嬢もお姉さんも「かめつる
って…!?」みたいなリアクションだったんだけど、よくよくパン
フを見てみると「かめつる」ではなく「きかく」と読むことが
判明。結構、大声で「かめつる」「かめつる」って連発してたん
で歌舞伎フリークの人には「名前も読めないくせに観に来んな
よ!」って思われてたかも知れないと思ったら超恥ずかしかっ
た。すいませ〜ん、基本的には獅童くんにしか興味がないもん
ですから…

そうこうしていると二幕の『春興鏡獅子』になった。と言っても
踊りメインの演目なんで実にわかりやすくて華やかでした。若手
の中でも踊りの名手と言われる亀治郎さんの女形なんで艶やかで
獅子の迫力もあってよかったですよ。ただ亀治郎さんに全く興味
が持てないんで「ほ〜っ…」と羨望の眼差しで観てるだけでした
けど。

再度の休憩時間に軽食を頂いていると筑紫哲也さんの姿を目撃。
D☆Dのタンゴの公演といい、今日の浅草歌舞伎といい、エンター
テイメント好きな方なんだな〜と思いつつ三幕の『恋飛脚大和
往来〜封印切』に突入。ようやく獅童くんの出番です!獅童くん
は治右衛門役です。忠兵衛が亀治郎さん、梅川が七之助くん、八
右衛門が愛之助さん、おえんさんが門之助さんという配役。門之
助さんは1部も2部もおえんさん役だけでご出演のようです。この
演目の要ってやつなんでしょう。

ストーリーは飛脚問屋の養子である忠兵衛がなじみの遊女・梅川
を身請けしたいんだけどお金が足りなくて困っていたある日、
公金を運ぶ仕事の合間に立ち寄った梅川のところでライバルの
八右衛門に鉢合わせしてしまう。八右衛門は梅川の身請けの金を
持参していて忠兵衛をしつように挑発。お金がないのを罵られる
うちに売り言葉に買い言葉でつい預かっていた公金の封印を切っ
て梅川を身請けしてしまう忠兵衛。当時、飛脚問屋が封印を切れ
ば即、死罪。忠兵衛と梅川は心中の旅路に向かうのでした…と
いう感じ。

序盤でのお互いに好き同士なのにわざと怒らすような事を言った
り、なだめすかしたりする忠兵衛と梅川のやりとりがバカップル
っぽくて面白かった。そんな二人の気持ちを温かく見守るおえん
さんの役割も結構キーになっていて、序盤の雰囲気の温さが余計
心中へ向かう結末の不幸さを増幅させていった気がしました。

獅童くん演じる治右衛門はおえんさんの旦那で梅川の抱え主槌屋
の主人。花道に登場した時、それはそれは凛々しくてウットリ…
丹下左膳みたいな荒々しい役の後に観る正統派の美しい立ち居
振る舞いはまた別の魅力を感じさせるわ。ただ役の貫禄までには
まだまだって感じでおえんさんより年上には見えなかった。それ
に出番も「こんだけ!?」って消化不良気味は否めなかった。やっ
ぱり年末ギリギリまで『丹下左膳』をやってた影響なのかな…
もう少し獅童くんが観たかったな。これでご挨拶の日じゃなかっ
たらホントに何しに来たんだかって感じかも!?

まあ、それでも八右衛門役の愛之助さんの見事なまでの意地悪さ
には感服しましたけどね。関西人の嫌なところを凝縮させてまし
た。ホントにしつこい挑発で忠兵衛の堪忍袋の緒が切れてしまう
のは仕方ないなって思わせるまでのネチネチした感じがよく出て
ました。芸達者ぶりを今回も感じさせて頂きましたよ。

公金で梅川を身請けしたのも知らずに周囲はお祝いモードで盛り
上がり早速身請けの手続きに出掛けると、あとに残された忠兵衛
から事実を聞かされ泣き崩れる梅川の天国から地獄っぷりも七之
助くんがよく演じてた。毎回思うけど、浅草歌舞伎の演目は役者
さん達、それぞれにちゃんと見せ場というか引き立つシーンが
ある作品を選んでるなってこと。ストーリー的にもなかなか飽き
ずに観れるいいチョイスしてるし、初心者でもホントに楽しめる
のは良いことです。欲を言えば、狐忠信の時のような獅童くんが
デ〜ンとメインを張る演目だと尚嬉しいけど…う〜ん、しつこい
けど今日は不本意。

終演後には気を取り直して直江嬢の買物に付き合い、大学芋屋
さんに行くことになった。浅草には子供の頃から来てますが、大
学芋も名物だったとは知らなかった…客が列をなしてましたから
ね。結局、私もお土産用に大学芋とスイートポテトを購入。それ
から神谷バーに行き飲酒。陽の高いうちから飲むのは最高でおま
した。歌舞伎の感想や近況などを肴に楽しい時間を過ごしまして
イイ感じで帰宅。

今年もこんな楽しい時間が沢山持てるようにチケ獲りを頑張ろう
と思いましたとさ。今年も一年の計が変わらずか…成長しない
ヤツですみませ〜ん!

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