『小鹿物語』@シアターコクーン。
今日は直江嬢の元同僚のお姉さんと渋谷に行った。東急の中の
レストランで生ビール〜赤ワインに流れて軽く飲んだ。明るい
内から飲むのはエエのぉ。

イイ気分のままシアターコクーンに移動。さんま師匠主演の舞台
『小鹿物語』を観に来たのです。入口で次課長の河本さんを発見
し、心の中で「オマエに食わせるタンメンはねえっ!」とお約束
で呟いておいた。座席に進むと正蔵師匠も発見し、心の中で「や
めて下さいよ、ヒロミさ〜ん!」と呟いておいた。いざ開演。

さんま師匠の舞台は2004年の『JOKER』を尚仲間の淑乃さんと観に
行っていて、かなりちゃんと芝居をしてたのに驚いた覚えがあり
ます。今回も戦時中を舞台にした話だという予備知識を得ていた
ので、どんな風に転ぶのかとても期待しておりました。

さんま師匠演じる小鹿は劇団の座長で、温水さんやナイロンの
新谷さん、元・そとばこまちの山西さんなどの座員と喜劇を演じ
ているんだけど、戦時中故に生瀬さん演じる諜報部員に目を付け
られてことごとく対立していくわけです。舞台上での設定で喜劇
を見せる場面とかはどこまでが台詞でどこまでがアドリブか判ら
ない位に座員をイジる小鹿は絶品で、そんないい加減な小鹿に
厳しい態度で迫る諜報部員役の生瀬さんの容赦ない感じの対比が
緊張感を持たせて自然と舞台に集中してしまいましたね。

その緊張感をホッと解してくれたのが真矢みきさん演じる小鹿の
奥さんでした。小鹿を最大限に理解している包容力はあっぱれで
実に粋に演じてた。こういう可愛くて賢いオンナになりたいもん
ですが、真矢みきさんととてもリンクしててナイスキャスティン
グだと思いました。

笑える場面も多々あったけど、やっぱり設定が戦時中ということ
でドイツ人と日本人との間に産まれたハーフ役の阿佐ヶ谷スパイ
ダースの中山祐一朗さんに対して「あいの子」呼ばわりしたり、
二役で新谷さんが演じた朝鮮人が「日本人のふりをして日本人の
弾除けにさせられて死んで靖国に祭られてるけど、死んだ後位は
日本じゃなくて朝鮮で祭られたい」とかドキっとさせられる台詞
が盛り込まれていて、時期的に戦争について考えることが多かっ
たので余計に話に引き込まれてしまいました。

中盤から後半になって対立してた小鹿と諜報部員の間柄が判明
したり、小鹿の浮気騒動に心乱れた奥さんの妊娠が発覚したり、
小鹿の大借金がバレて周囲の人の優しさがアダになっていったり
とオチまでの展開はホントに興味深かったです。「なるほどね」
と思わせる布石がたくさん打ってあったんですもの。

ただラストシーンの展開が強引過ぎた感がしました。幸せを感じ
る絶頂の時に突然小鹿に届いた‘赤紙’のインパクト、それを
請けて出征する小鹿があいの子に刺されてコクーンの舞台の目玉
の水場に落ちるインパクト、刺されたことも知らずに身篭った
子供に向けて想いを吐露する小鹿の奥さんのインパクトが結局
バラバラにしか感じられなかったのが残念です。

特に誰か贔屓にして観に行ってるわけではない芝居の場合、純粋
に演目に興味を持って観に行ってるわけで冷静に観れているんで
素直に楽しめたらいいなっていう思いで行ってるだけに惜しい
演目でした。でも普通に見たら全然クオリティは高いですけど。
やっぱり舞台に関してはひねくれて観ちゃうんで…スミマセン。

さんま師匠のコントの舞台も観てるし、こういう本格的な芝居の
舞台を観てるけど、やっぱりTVで活躍してればしてる程、生の
リアクションを欲してる姿勢が飽きられない要因なのかなって
思うし、ひょっとしたら病気?って気がする。ホントに‘お笑い
モンスター’ですよね、さんま師匠は。

帰りの電車の中でお姉さんの見解とすり合わせをしつつ、気付か
なかった発見とかもあって興味深い時間を過ごせました。実に
勉強になりますな…今公演を観るのを若干躊躇してた背中を押し
てくれたんでホントに観れて良かったっす。

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